※久生十蘭ファンの方、以下、大変失礼な文章で申し訳ございません。どうしても「く・・・くぜ・・・?」と読んでしまうものでして・・・。
通勤中、iphoneで青空文庫読んでると便利でよいなーって思う。
今、久生十蘭っていうなんて読むのか何度見ても迷ってしまう名前の人の小説を読んでいて、シリーズものの一編がだいたい20分とかで読めて、おれの通勤時間には大変区切りがよい。
ノンシャラン道中記
久生十蘭っていうなんて読むのか何度見ても迷ってしまう名前の人の小説は、ちょっと古めかしい題名が気になって「ノンシャラン道中記」てやつをまず最初に読んで、これはタヌ子っていう女子とコン吉っていう男子がヨーロッパを旅行したりする物語で、軽い感じでとてもよかった。
パリから南仏のほうへボロい車で行こうとしたり、モナコの馬車の美しさを競うコンテストに戦車のハリボテで出撃して日本の美を伝えたりする。
タヌ子さんを美少女のお嬢様に、コン吉をやたら独り言の多い性格に変えたら、速攻アニメ化できそうなノリもある。
久生十蘭っていうなんて読むのか何度見ても迷ってしまう名前の人の余裕というか才能というか、そういうのを感じる。
芸があるっていうんですかね?わかんないけど。
キャラコさん
久生十蘭っていうなんて読むのか何度見ても迷ってしまう名前の人の「キャラコさん」ていうのは、なんとなくだけど、ハウス名作劇場とかの絵柄を想像しながら読んでいた。
大富豪に認められて超すげえ遺産を相続したキャラコさんが大正?昭和?のモダンな世界で活躍するんだけど、スキー場で出会った中年男を愛するあまり、仲間の女の子が自殺しそうになったりと、なかなか登場人物の行動が過激だったり、盲目の金持ちの美青年ていうわりとベタな設定の人がでてきたりする。
あと女性の自立?みたい教育的要素がほんわり奥底にあるのも大正?昭和?のモダンな世界ぽいなあと思った。
顎十郎捕物帳
そのあと、久生十蘭っていうなんて読むのか何度見ても迷ってしまう名前の人の「顎十郎捕物帳」ていうのを読んで、これは顎の長いおっさんがビシバシ事件の謎を解き明かす、江戸を舞台にした探偵ものみたいな感じでとってもとってもとってもとってもよかった。
ナントカ藩のお家騒動を未然に防ぐ!みたいなのもあるんだけど、だいたい事件が起きたあとに、その謎を解く感じで、安楽椅子探偵もの?みたいな感じです。
ナイスなトリックで驚かせてくれたりするんだけど、時代小説ぽい人情話になって終わるパターンもある。
幕府に献上する氷が盗まれた話とか、将軍の鶴が死んだ話とかは、人情でホロリかつサッパリ歯切れのよい終わり方。
最初の方に出てた美人の親戚が突然でなくなったり、顎十郎が北町奉行所をやめて駕籠かきになったり、南町奉行所のライバルの説明が何度もあったりして、連載が何度かとぎれてるのかなー?みたいな感じがあるのも面白い。
本とかあんまり読まないくせにどうも「苦手な文体」というのがあって、読めない本は全然読めないんだけど久生十蘭っていうなんて読むのか何度見ても迷ってしまう名前の人の文体は苦手どころか好みだった。
どれも面白かったので、もっともっと久生十蘭っていうなんて読むのか何度見ても迷ってしまう名前の人の小説を読んでいきたい。
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