テラコブログ

たまに戦車のプラモデルを作ります

再読 帝都物語

Back to the roots!
昔読んで心に残っている、大げさに言えばあの本は今の自分を形作ったナニカであることだなあ(嘆息)、みたいな思い出に残っている本を、なんとなく読みかえしたくなり「帝都物語」を再読してみました。土曜日ヒマだったもので。
幸いkindleでさっくり買えるのでちょうべんり。しかも安い。

最初に読んだときは、ちょうど、映画公開のタイミングだったように思います。
映画自体は当時みてなくて、数年後、テレビで放映してたのを見た記憶がボンヤリ。
あんまり覚えてないなあ…。実相寺昭雄監督なんですね。フムフム。

帝都物語 [DVD]

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映画では、なんといっても嶋田久作さん演じる加藤保憲が出色で、なんかこう後々、様々な影響を各方面に与えているのではないか!と強く思います。
ドーマンセーマンを染め抜いた白手袋も鮮やかな、黒マント姿の帝国軍人!そしてあの表情!まさに魔人!イカス!
すごいインパクトでゲームやマンガを作ってる人は、思わずマネしたくなるだろうなあ!というかっこよさです。実際結構いますよね、加藤保憲的キャラ。

原作を再読すると、思っていた以上に忘れていることが多く、なかなか新鮮に読むことができました。記憶力悪い!

ご存知魔人加藤が、怨霊平将門を呼び覚まし帝都東京を壊滅せんとする物語。
加藤に対するは幸田露伴寺田寅彦陰陽道の正統土御門家。
明治大正昭和時代を越えて、陰陽道奇門遁甲などの魔術合戦が繰り広げられる!みたいな感じですが全体を通してみると、やはりタイトルそのもの、帝都の物語、東京が主人公といった趣を感じました。

今でこそアニメマンガ様々なフィクションに登場する、それこそ「手垢のついた」感もなきにしもあらずな、陰陽道風水奇門遁甲蠱毒なんて単語を知ったのは、この本が最初…。
そういった魔術方面以外でも、明治大正昭和の「奇怪な人々」を知ったのも、この本が最初…。
これを読んでしばらくは荒俣宏著作を少ないお小遣いで買ったなあ。

魔術的要素はもちろんグッとくるのですが、なんといっても魅力的に映ったのは、幸田露伴寺田寅彦北一輝石原莞爾三島由紀夫…その時代の有名人が続々登場し、虚実ないまぜになって展開するところ。
人物だけじゃない、二・二六事件第二次世界大戦日米安保闘争はもちろん、明治、関東大震災後の都市計画案・その時代に流行した建築物の様式なんかも物語に組み込まれていて、本当に魅力的です。

追記

書くのを忘れていた!
藤原カムイ著の漫画版「帝都物語」も思い出深いです。再読時、登場人物の外見なんかは、もう、ほぼほぼこの漫画版のイメージで読んでました。

手元にないため確かではないですが、漫画版は帝都物語でたぶん誰もがイメージする、明治大正期(関東大震災)の龍動篇までを、コンパクトに一冊にまとめていて、とても面白いです。
それに装丁が素晴らしくって、カッコいい。こちらもおすすめです。

帝都物語―Babylon Tokyo (ドラゴンコミックス)

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